50代女性 上前歯の欠損部にやわらかいシリコーン素材を用いたノンクラスプデンチャーを作製した症例

ご相談内容

「上前歯の人工歯がグラグラするようになった。しっかりと噛める入れ歯で治したいと思っているが、前歯なので見た目が気になる」とご相談いただきました。

カウンセリング・診断結果

拝見したところ、上前歯に歯科用の接着剤で固定されていた人工歯がグラグラと揺れていました。
詳しく検査した結果、接着部分が緩んでいることが判明したため、このままでは安定した使用が難しい状態です。

前歯部であるため、人工歯を除去してしまうと、話したり口を大きく開けたりした際、欠損部が目立ちやすくなります。
また、このまま放置すると噛み合わせのバランスが崩れて周囲の歯への負担が増えるリスクもあります。

以上のことから、早期に欠損部を補う治療が必要だと診断しました。

行ったご提案・治療内容

人工歯を除去したあとの治療として、以下3つの方法を提案しました。

①ノンクラスプデンチャー
金属のバネ(クラスプ)を使用しない部分入れ歯です。
メリット:目立ちにくい素材を使用しているため、審美性が高い
デメリット:入れ歯自体を支える部分がない構造になっているので、噛んだときに入れ歯が沈み込むおそれがある

②メタルクラスプ義歯
金属のバネを用いた、通常の部分入れ歯です。
メリット:安定した噛み心地が期待できる
デメリット:金属部分が目立ちやすい

③インプラント治療
顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する方法です。
メリット:固定式なので、天然歯に近い噛み心地が期待できる
デメリット:外科処置が必要なので、治療期間が長く、費用負担も大きい

それぞれのメリットデメリットを説明したところ、患者様は「見た目が気になるので、金属の装置は使いたくない」とのことから、①のノンクラスプデンチャーを選択されました。

また入れ歯を使用する場合、噛んだときに入れ歯が沈み込んで痛みが出る場合があります。
そのため、入れ歯の土台部分の内側にコンフォートと呼ばれるシリコーン素材を使用し、痛みを軽減する設計にすることもお伝えしています。

さらに、一部工程は海外の歯科技工士が担当することについても併せてお伝えし、同意いただきました。

なお、入れ歯の沈み込みを防ぎ、粘膜や歯ぐきへの負担を軽減するためには、金属製の装置(レスト)の設置が有効です。今回は患者様のご希望によりレストを使用しないデザインで製作しています。

まず、接着されていた人工歯を外します。

次に、口腔内の大まかな記録を取ったあと、入れ歯をより正確に作るための精密な型取り(口腔内スキャナを用いた光学印象 )を行いました。
続いて、専用のワックスやシリコーン材を用いて上下の歯の接触位置を確認し、自然な噛み合わせの高さや位置関係を記録する咬合(こうごう)採得も実施しています。

その後、仮の入れ歯を装着し、歯並び、噛み合わせ、見た目を確認しました。

型取りから約3週間後、完成した入れ歯を装着し、痛みや違和感はないか、噛み合わせに問題がないかを確認して、治療を終了しています。

この治療のリスクについて

・着脱式のため、食後の清掃が必要です
・最初のうちは異物感があり、慣れるまで時間がかかる場合があります
・慣れるまでは、入れ歯の裏側の粘膜に傷ができる場合があります
・シリコーン部分の劣化を防ぐため、専用の洗浄剤での清掃が必要です

  • 年齢・性別 50代女性

  • 診療種別 自由診療

  • 治療期間の目安 約3週間(型取り~完成まで)

  • 治療回数の目安 2回(型取り~完成まで)

  • 治療費総額の目安 150,000円(ノンクラスプ、コンフォート)

※掲載された情報は治療の効果を保証するものではありません。

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