60代男性 上顎の大きな欠損を補うための顎義歯を作り直した症例
ご相談内容
「8年程前に作った上顎の入れ歯が合わなくなってきたので診てほしい」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果
患者様は以前、大学病院で軟口蓋がんの手術を受けられています。手術後に生じた上顎の欠損を補うため、当時大学病院に勤務していた当院の歯科医師が「顎義歯」を作製しました。
顎義歯とは、顎の骨や歯茎など口腔内の大きな欠損を補う特殊な入れ歯のことで、装着することで欠損部を蓋のようにカバーし、発音・咀嚼・嚥下といったお口の機能を補助する役割を果たします。
ただ、欠損した部分を完全にカバーできるわけではなく、鼻へ空気が漏れたり、義歯の一部が粘膜に当たって痛みが生じたりすることがあるため、その都度調整が必要です。
今回のような欠損形態では、季節や温度の変化などによって粘膜の形が変わることがあるため、入れ歯の作製後は定期的な調整が欠かせません。
詳しく拝見したところ、上顎の欠損部に顎義歯が装着されていましたが、経年的な変化で合わなくなっていたため、現在のお口の状態に合わせた新しい顎義歯を作り直す必要があると診断しました。
行ったご提案・治療内容
治療にあたり、手術を担当した医師から顎義歯の製作について許可が得られていたため、当院で保険診療による顎義歯の作り直しを提案し、同意いただきました。
当院で顎義歯を製作する際は、手術を担当した主治医の許可が必要です。そのため、顎義歯の製作を希望する場合は、患者様に紹介状(診療情報提供書)をご持参いただくようお願いしています。
ただし、紹介状をお持ちいただいた場合でも、お口の状態によっては当院での対応が難しいケースもあります。
なお、欠損部の大きさや位置によっては、入れ歯ではなく、外科的手術で欠損部を閉鎖する方法もありまが、その判断は口腔外科や形成外科の主治医によって行われるため、義歯製作を担当する歯科医師が単独で判断することはありません。
まず、口腔内の簡単な型取りを行い、作製した模型をもとに患者様専用の型取り用トレー(個人トレー)を作り、個人トレーを用いて精密な型取りを行います。
患者様の場合、残っていた歯の噛み合わせがしっかりしており、通常は別の工程で行う噛み合わせの確認を型取りと同時に実施できたため、処置をスムーズに進めることができました。
次に、入れ歯が完成する前の段階で人工歯の並びや入れ歯の形を確認する「試適」を行います。
その後、見た目や噛み合わせを患者様と一緒にチェックし、最終的な調整を経て、新しい顎義歯が完成しました。
現在は、新しい顎義歯を使用しながら、欠損部の形態変化や粘膜の状態に合わせ、定期的な調整とメンテナンスを継続しています。
この治療のリスクについて
・着脱式のため、食後の清掃が必要です
・最初のうちは異物感があり、慣れるまで時間がかかる場合があります
・慣れるまでは、入れ歯の裏側の粘膜に傷ができる場合があります
年齢・性別 60代男性
診療種別 保険診療
治療期間の目安 5ヶ月 (調整は継続中)
治療回数の目安約4回 (調整のための通院は除く)
治療費総額の目安 保険診療内
※掲載された情報は治療の効果を保証するものではありません。